JRで行く九州観光情報「阿蘇」
雄大な景色を前に、大地の力を感じる旅 〜阿蘇五岳〜

【ページ公開日:2009年7月3日】
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早春、阿蘇は少し黒い山肌のまま、新緑が芽吹くのをじっと待つ。春には麓に広がる草原で牛や馬の放牧が始まり、山肌は鮮やかなピンク色のミヤマキリシマに染められてゆく。ツツジの季節が過ぎ、夏を迎えると、どこまでも広がる青空の下、阿蘇は堂々と光り輝く。秋には裾野にソバの花やススキが花開き、やがて冬が訪れると、山全体には雪化粧が施され、その荘厳な姿を我々の前に現す。四季折々に表情を変える阿蘇の姿に触れる度に、自然の力の巨大さ、そして偉大さを思わずにはいられない。
火の国・熊本の代名詞とも言える阿蘇五岳。その始まりは、いまから200万年〜60万年前に九州で起きた大規模な噴火だと言われている。以降、30万年前〜9万年前に発生した4度の阿蘇山大噴火を経て、東西約18km、南北約25kmに及ぶ世界最大級のカルデラが誕生。その後、長い年月をかけて風雨に晒されたカルデラが浸食され、現在の阿蘇の姿がかたちづくられたという。
その阿蘇五岳を中心としたエリアは、現在は阿蘇くじゅう国立公園として制定されている。阿蘇くじゅう国立公園は、熊本県と大分県にまたがる遠大な公園。総面積72,678ヘクタール、国立公園としては西日本最大の規模を誇っている。
国立公園のなかから、阿蘇五岳の最も美しい姿を望むなら大観峰がおすすめだ。阿蘇外輪山の最高峰、海抜936mに位置する大観峰は、かつては遠方を監視するための番所が置かれていた場所。当時、外輪山の標高が高い部分を鼻と呼んでいたため、大観峰は「遠見ケ鼻」という名称で親しまれていた。その後、1922(大正11)年に熊本県出身のジャーナリスト兼評論家の徳富蘇峰が、雄大な景色に感動し、大観峰と命名。以降、この呼び名が一般的に使われるようになったという。
大観峰から見る阿蘇五岳は、お釈迦様が寝ている姿に似ているといわれる。このため、大観峰から見える阿蘇の姿は、涅槃像や寝観音像と形容されている。特に空気が澄み切った秋の早朝の涅槃像の姿は圧巻だ。雲海に覆われたカルデラに浮かぶ涅槃像には神々しささえ漂う。山に住む神々の存在を感じずにはいられない瞬間だ。
涅槃像のつま先あたりに位置する烏帽子岳は、阿蘇五岳の中では比較的登りやすい山として観光客の人気を集めている。頂上から見渡す大パノラマは、視界を遮るものがなく見事。晴れた日なら、九重山や雲仙普賢岳まで視界が開ける。九州の大地を一望できる絶景スポットである。
その烏帽子岳の麓には、「草千里」と呼ばれる草原が広がる。草千里は、烏帽子岳の側火山であった千里ヶ浜火山の火口跡にできた草原。その直径は約1km、草が千里続いているような開放感があることから、この名前が付いたという。
夏になると「草千里」一帯では放牧が始まる。夏の阿蘇を語るときに欠かせない風物詩だ。馬や牛たちが気ままに草をむさぼって一日を過ごす姿を見ると、自然と動物、そして人間の本来あるべき関わり方について考えさせられる。4月から11月は乗馬体験ができるので、チャンスがあればぜひチャレンジしたい。雄大な阿蘇を背景に馬にまたがって草原を散策する気分は格別である。
熊本を代表する阿蘇五岳。この地に溢れる自然に触れていると、まるでそれがごく当たり前の風景であるかのように思えてくる。そして、その感覚はたぶん正しい。阿蘇の大地は、現代に生きる我々が忘れかけている、自然、生き物、そして人間の本来あるべき姿を思い出させてくれる。
(取材協力:阿蘇市観光協会)
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JR東海の阿蘇情報。
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