JRで行く九州観光情報「熊本城」

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四百年の眠りから目覚めた名城〜熊本城本丸御殿〜

四百年の眠りから目覚めた名城〜熊本城本丸御殿〜

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【ページ公開日:2009年3月13日】
・こちらのページに掲載している写真は全てイメージです。現地へ来訪される時期や、当日の天候等によって景観は異なります。
・掲載の事実考証(料金、開催期間等含む)については公開日時点の情報となりますのでその後、変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。

名将・加藤清正が心血を注いで創建した熊本城「本丸御殿」

熊本県のシンボルである熊本城が落成したのは1607年のこと。名将・加藤清正によって築かれたこの城は、1877年の西南戦争の折に天守閣や本丸御殿など多くの部分を焼失した。その後、天守閣の外観は1960年に復元されたが、『本丸御殿』の再現には至らなかった。しかし、2008年の春、ついにその『本丸御殿』が復元された。築城から400年を経た熊本城は、ようやく本来の姿を取り戻したといえるだろう。

熊本城を築いた加藤清正は、豊臣秀吉の血縁にあたる。9歳の時に秀吉の小姓となり、数々の功績をあげた後、27歳の時に肥後の国に入国。文禄・慶長の役では秀吉軍の中心として活躍したが、関ヶ原の戦いでは石田三成らとの確執もあり東軍についた。華やかな武勲の傍ら、清正は国の治水、農地の開発などに力を注ぎ、民に慕われた名藩主でもあった。その清正が、築城の際に天守閣と並んで心血を注いだのが本丸御殿である。

絢爛豪華な障壁画から瀟洒な茶室まで、江戸時代の豪奢と粋を感じる熊本城

往時は部屋数53、総畳数1570畳という広大な空間であった本丸御殿。本丸御殿へ入るには、昼間でも暗い『闇り通路(くらがりつうろ)』と呼ばれている地下通路を通っていく。このような地下通路を持つ御殿建築は、全国的に見てもほとんど類例がない。ほの暗い通路を歩くと、古の武士たちの息遣いが聞こえてくるような気がする。

現在公開されているのは、大別して大台所棟、大広間棟、数寄屋棟に分けられる。闇がり通路は階段を介して大広間の玄関口である『鶴之間』へと繋がっている。

闇り通路(くらがりつうろ)

大広間

『鶴之間』からは、『梅之間』、『櫻之間』、『桐之間』と続き、一番奥には藩主が家臣と対面する際に座った『若松之間』が見える。さらにその奥には、藩主の居間であり、接客の場であった『昭君之間(しょうくんのま)』が控えている。本丸御殿の中で最も格式の高い部屋で、床の間や違い棚などを持つ書院造りとなっている。

『昭君之間』のなかで一際目を惹くのは、壁、襖、天井に描かれたきらびやかな障壁画だ。金箔を重ねた下地に、極彩色の岩絵具で描かれた女性は、中国の前漢時代、匈奴に嫁がされた悲劇の美女・王昭君。この部屋だけで10cm四方の金箔が5600枚も用いられているという。

その『昭君之間』の隣にあるのは、一転して必要にして最小限の装飾を施した茶室。『昭君之間』の絢爛豪華さと茶の湯のわびさびの両方を愛した清正の伸びやかな人柄が感じられる。

昭君之間の天井画

”せいしょこさんのしたこつ”いまも民に愛され続ける名藩主・清正

大小天守閣 / 二様の石垣

本丸御殿を堪能したら、築城の名手と謳われる清正の手腕にもぜひ触れてみたい。そのひとつが、熊本城最大の特徴とも言われる石垣。清正が近江から率いてきた石工集団『穴太衆』(あのうしゅう)の技術を結集して作られた石垣は、下部からゆるやかな曲線を描き、上へ向かうにしたがって急角度になっていく。その形状は『武者返し』と呼ばれる。敵の兵士たちが、「登れる」と思って登り始めても最後は諦めて引き返すしかないというのが名前の由来だ。

また、熊本城のシンボルである大小二つの天守閣も見逃せない。1960年に昔の写真や地図などを元に復元された天守閣は、瓦の並び方や数まで細部にわたり忠実に再現され、当時の姿を今に伝えている。

熊本市民の間では、何かの折りにつけ、「せいしょこさんのさしたこつ」(清正公のなさったこと)という言葉がよく使われる。これは、豊かな国づくりを目指して藩政に尽力した清正に対する感謝と親しみを表したものだ。清正が没して今年でちょうど400年。城の堀沿いの道を歩く人々の姿は変わっても、名藩主・清正の姿はこれからもずっと熊本の人々の心に残り続けていくのだろう。

(取材協力、写真提供:熊本城総合事務所

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